今夏の初ガイドで富士山に行ってきました。
1日目は曇りな天気と、須走ルートは6合目くらいまで樹林帯なので、あまり日差しの厳しさを感じずに歩くことができました。
初日に8合目まで上がるので、小屋到着が遅い時間になるかなと少し心配していましたが、参加者の皆さんが快調に歩いてくださったので、順調に高度をあげ15時には小屋に着けました。
翌朝は小屋前でご来光を見る予定だったのでゆっくり眠れるかと思ってましたが、目論見が甘かった。吉田ルートと合流する場所にある小屋ということもあってか、夜になっても次から次へと人が押し寄せ、夜中過ぎると今度は出立する人たちの物音・振動・光で起こされ・・・。
まぁでも翌日のご来光は、そんな苦痛が吹っ飛ぶすばらしさでした!
上に着いて最高地点で記念写真を撮ったあとはお鉢巡りまでして、あとはひたすら下山。砂走は慣れると豪快に下っていけて楽しいのですが、今回はそうではなかったみたい。。💦
下山するときに、ちょうどブルードーザーの荷揚げの時間と重なって、何度か通り過ぎるのを待つことになりました。ブルが通り過ぎたあとを歩いていると、ザックに何か衝撃が。あ、と思って斜面側を見ると、パラパラと石が落ちてきています。とっさにこちらを見ている他の登山者に、「落石あるので上を見るように」と注意喚起。幸いこちらのお客さんは距離が離れていたので無事でしたが、その後何度かのすれ違いのあとは、ずっと注意喚起していました。富士山にはこういうリスクがあるのかと、「落石注意」とはこういう意味もあるのかと、改めて知らされました。何より、誰も怪我がなくて良かったです。
知り合いのろう者からご依頼を頂いて、2回にわたり、登山に関する勉強会の講師を務めました。
1回目は、「聴覚障害者の安全登山のために」がテーマ。聞こえないから危ない、ということでなく、聞こえないために出来ないことが実際あるので、それを意識していないと、危険な結果に繋がってしまいますよ、ということをお話しさせていただきました。2回目は、1回目のアンケートで、「山の選び方が分からない」という声が多かったので、どのように「自分に合った山」を選べばよいかを多面的に説明しました。
当たり前のことですが、聞いてくださる方がほぼろう者なので、そのことを頭に入れて、話す内容を組み立てています。そのため、納得していただけることが多いようです。一般の講習だと、「聞こえない」ことは考慮されず、「聞こえる」ことを前提に話が進みます。この点が、「手話通訳士」資格のある登山ガイドとしての強みかなと感じ、有難く思うこの頃です。
ご協力いただいたアンケートを見ると、「話が分かりやすい」という声が多く、励みになっています。2回目のときには、「面白い人」という感想もあって、びっくり。どうも、私がズバズバと、「そんなことをしていたら死にますよ」と言ったりするのが意外で面白かったようです(笑)。昔から、「手話でろう者に笑ってもらてナンボ」と思っていますから、「面白い人」と思ってもらえて非常に嬉しいです。
安全に登山をするには、知識や技術を身につけることが何より重要です。手話で勉強できる機会は世間にはほぼありませんので、こういった講師活動はとても大切に考えています。ご依頼いただければ、どこにも馳せ参じたいと思っていますので、気になる方があれば、お気軽にご相談ください。
毎月細々と継続実施しているSCS(Sign Climbing Salon)。4月は29日祝日お昼間の開催だったので、3人の参加者と、久々多めの人数になりました。
クライミングは、正直、最低でも週1回は登らないと、なかなか上達しません。
とはいえ、SCSに参加される方にはそこまで頻繁にジムには行けないご事情もあります。それでも、SCSを実施することでクライミングを続けていただけるのなら、私はとっても嬉しいです。だってやっぱり登るのは楽しいですし、せっかく始めたんですから、続けてほしいです。
上手い下手はどうでもよくって、一緒に登るって楽しいね、という思いでSCSを開催しています。下手だから・・と遠慮しないで、たくさんの方に参加してもらえたらなと思っています。興味のある方はお声かけくださいね♪
5月は25日(日) 14時~開催です。
[2025.4.21] 山岳トレーナーの講習を受けてきました☆
20代で山登りを始めた私も、気が付けば、いいお年になってきました。この先は、山での遭難事故の多い「中高年」の域にドンピシャ入っていきます。怪我や故障を少なくし、少しでも安全に長く山登りを続けていくために、また長くガイドの仕事を続けられるように、普段の体のケアは、けっこう意識しています。月1回程度スポーツ専門の鍼灸院に行って体の歪みや強張りを直してもらい、自分の体や動きの癖を知って、ケアの仕方を教えてもらっています。自分の体の状態についてはとても興味があります。
一方、このところ無雪期・積雪期のバリエーションルートに行くことが多いのですが、登りですぐに足にだるさを感じて動きが鈍くなってしまうことが多く、何が足りないのか、何を鍛えなければならないのか、心肺能力なのか、脚力なのか、それとも歩荷力なのか、悩んでいました。
そんなときに山のイベントで出会ったのが、山岳トレーナーの安藤麟さん。診る人の体の特徴を掴んで、必要なトレーニングとケアの方法を教えていただけると知って、早速、山岳会の仲間にも呼び掛け、パーソナル講習をお願いしました。
講習の内容は、「楽しく安全に登るための身体の使い方」に関する座学やストレッチの仕方、実際の登山の動きを見てもらっての歩き方の改善方法の提案など。まさに私が知りたかった内容!
座学では、立位姿勢や足の踏み出し姿勢を写真に撮ってもらい、どこに弱点があるかも指摘してくださいます。私の場合、やや関節が緩く膝が標準より伸びやすいのだそう! その影響で骨盤が不自然に前傾しているのだとか。初めての指摘にただびっくりするばかりです。
左が私のもともとの「自然な」姿勢。前に傾くのをなんとかまっすぐに整えている感じ。
これがストレッチをしただけで、びっくりするほど「自然に」「楽に」よい姿勢が作れました(右写真)
登りでは(上の写真)、比較的足に重心を置く歩き方ができていますが、指導を受けた後はもっとしっかり足に体重をかけて歩くことができるようになりました。(左が従前、右が指導後)
ところが1本脚立ちになると、特に右足でニーインといって脚がねじれた状態になって、不安定さが出ているとのこと。私の課題は右足の力の弱さにあるようです。右足を鍛えるのが当面の課題と分かりました。
講習当日にこれらを指摘していただくのはもちろん、終了後に自分用の「カルテ」を作ってもらえます(ここに掲載の写真は、カルテに掲載のものを安藤さんの許可を頂いて掲載)。カルテには、私の身体や動きの癖について、写真や動画を用いた説明があり、また必要なストレッチやトレーニング法も掲載されています。動画のリンクも貼ってあるので、いつでも正しく復習できます。これはすごく有難い!
安藤さんの説明は説得力があり、気になることは納得できるまで答えてくださる。指導も丁寧。アフターフォローも手厚い! これは「等高線」のお客様にもぜひ体験してもらいたいです。皆さんも気になりませんか?自分の身体の癖や個別のトレーニング法。私は受講して良かったですし、半年後とかにまた体の変化を見てもらいたいと思っています。
『日経トレンディ』5月号の編集に協力しました!
『日経トレンディ』最新号のテーマは、なんと「親切すぎる登山 最新入門」!世間の低山ブームがこんなところにも!! その特集に「識者」として協力しました。
実は、残念ながらこの業界ではさして私は有名ではないので(笑)、編集部からダイレクトに依頼をいただいたわけではありません😂
ネタ晴らしをすると、この記事の下の、米子瀑布スノーシューハイキングに出かけたときのこと。隣に岡田ガイドがいて、岡田ガイドにこの特集の話が編集部に届きました。ほかにも識者を紹介して欲しいという話だったので、岡田ガイドが即私を編集部に紹介してくださったといういきさつです。
もともと編集の仕事をしていたのもあって、編集の大変さはよく分かります。微力ながら協力したいと思ったのですが、出来上がった紙面の「識者一覧」を見てびっくり。この世界では著名な方ばかりなのです・・・😅
とはいえ、こういった紙面に「手話通訳士」という言葉を載せられたのは、ちょっと良かったかなと思っています。
2025年2月
2025年2月22日(土)
当初予定していた「北八ヶ岳周遊スノーシューハイク」が中止となったため急遽企画化した、米子瀑布のスノーシューハイキング。3名のお客様をお迎えしていってまいりました。
私たちガイドは1日前に、現地の、米子瀑布や根子岳山荘の整備をしておられるマウンテンワークスさん&山岳匠索社さんの案内で下見させてもらったのですが、2回目の訪問でもやっぱり「わー!」って感動する圧倒的なスケール感と色合いの氷瀑でした。
ガイドした日は日差しがあったり、雪が舞ったりとコロコロと変わる天候でしたが、そのたびに見える氷瀑の色合いや表情が変わって面白かったです。
雪上車に乗れるレアな体験も貴重でした。そうそう、カモシカさんにも遭遇しました。人生で2度目!可愛かった~
米子瀑布は、紅葉の頃もそれはそれでまた綺麗とのことだし、ゆくゆくは根子岳山荘も泊まれるようにしていかれるそうなので、無雪期にも企画をしたいなぁと思っています😉
2025年2月22日(土)
「ハイキング教室」で滋賀の蛇谷ケ峰に行ってきました。
大寒波のあと&干支の山ということで、この日もたくさんの人で賑わっていました。
この日は気温もやや高く、風も穏やかで、絶好のハイキング日和。踏み跡はあるものの、新雪ふわふわはまだ健在だったので、スノーシューで終始歩きました。
ちなみにスノーシューは、麓の「くつき温泉 てんくう」で借りることができますヨ(有料)。
山頂からは、里に雪が積もったときにしか見られないという「白蛇」さんがくっきり見え、また琵琶湖もよく見えて、良い眺めでした。
下りは、ふわふわ雪&スノーシューならではの楽しい豪快な足運びでぐんぐん降りていき、登りの半分の早さで駐車場まで戻ってきました。登りはつらかったけれど、下ってみたら「もう終わり?…」。ちょっと寂しいし物足りない感?
愉快なお客さんと、のんびり・ゆったりの楽しいハイキングになりました